DACチップは、DAC（Digital to Analogue Converter）の心臓部となる集積回路です。同じデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換した場合でも、それぞれの特徴により音質に違いがあります。代表的なメーカーには、旭化成エレクトロニクス（AKM）、ESS Technology（イーエスエス・テクノロジー）、Cirrus Logic（シーラス・ロジック）、Burr-Brown（バーブラウン）などがあります。
「ZEN Air DAC」
「ZEN Air DAC」は、コンパクトサイズに凝縮された高性能なヘッドホンアンプなどを展開している「iFi audio（アイファイオーディオ）」の「ZEN Air」シリーズから登場した、USB-DACアンプです。
「ZEN Air」シリーズは、「iFi audio」の人気商品「ZEN」シリーズの回路を簡素化し機能を削減しながらも、コアな要素は引き継いで低価格化を実現したシリーズです。特徴的な形状とデスクトップサイズを備え、筐体には質感のある仕上げの合成ポリマー素材が採用されています。「ZEN Air DAC」は、いちから回路の再設計がおこなわれ、「ZEN DAC」に匹敵する音質を実現しています。
DACは、True Nativeアーキテクチャを採用したバーブラウン製のDACチップセット「Bit-Perfect DSD & DXD DAC by Burr Brown」が採用されています。ファイルのフォーマットを変えない「ビットパーフェクト」を保つことができ、アーティストが意図した音楽をそのまま聴くことができます。
対応フォーマットは、最大PCM 384kHz/32bit、DSD256（DSD 11.2MHz）の完全ネイティブ再生をサポートしています。DACチップ内でPCMとDSDは別々の経路を通ることで、「ビットパーフェクト」を維持しています。MQAレンダラーにも対応し、マスター品質のハイレゾ音源を楽しむことができます。
コアチップは、XMOS 16コア･チップを採用しています。ローレイテンシーのXMOSマイクロコントローラにより、処理能力が大幅に強化されています。XMOSファームウェアをデジタル開発チームがプログラムして音質を最適化することで、バーブラウンのDACチップとの完璧な組み合わせを確保しています。
デジタルステージは、ジッター除去テクノロジーが幅広く採用されています。GMT（Global Master Timing）フェムト秒精度のクロックとインテリジェント・メモリー・バッファなどにより、ジッター対策が施されています。
アナログステージは、左右対称のチャンネルレイアウトと、超低ノイズのカスタムオペアンプ、太陽誘電と村田製作所の低ESRインダクターによる低インピーダンス電源レールを含むオーディオマニア級の回路部品が採用され、高音質を実現しています。
ゲイン切り替え可能な「PowerMatch」機能を搭載しています。入力感度をゲインを調整することで、ヘッドホンの負荷に応じた駆動レベルに切り替えることができます。高感度ヘッドホンではオフにしておくことで、低ノイズパフォーマンスを得ることができます。ヘッドホンの駆動力が必要な場合はオンにすることで、十分な出力パワーを得ることが可能です。
低域を増強する「XBass+」機能が搭載されています。中音域を濁すことなく低域を増強する「ベースブースト」です。DSPでデジタル信号を処理するのではなく、完全にアナログ領域で動作させています。
ボリュームコントロールは、アナログボリュームコントロールが採用されています。デジタルによるコントロールと違い、ボリュームを下げても音質を確保しながらサウンドを楽しむことができます。
出力端子は、6.3mmシングルエンド出力端子とステレオRCA出力が用意されています。ステレオRCA出力は、可変レベルコントロールが付いています。入力端子はUSB Type-B端子が採用されています。電源はUSBバスパワー駆動ですが、スマートフォンと組み合わせる場合や、より高い音質を求める場合は、別途ACアダプター（iFi iPower II 5Vなど）を使用して下さい。
本体サイズは約幅117×高さ35×奥行き158mmで、本体重量は約315gです。接続用のケーブルなどは同梱されないので注意して下さい。
低価格で高性能なUSB-DACアンプ「ZEN Air DAC」で、手軽に高音質なハイファイオーディオを楽しみませんか。
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