ハイブリッド構成のIEM(インイヤーモニター)は、2つ以上のドライバーで構成されています。低音が得意なダイナミックドライバー(DD)と中高域が得意なバランスドアーマチュアドライバー(BA)を組み合わせたドライバーユニットが主流です。低音から高音までワイドレンジでカバーすることができ、パワフルかつ繊細なサウンドを楽しむことができます。
「FH9」
「FH9」は、FiiOから登場したBAドライバー6基とダイナミックドライバー1基のハイブリッド構成のフラグシップIEMです。
6基のBAドライバーは、世界最大級のBAドライバーメーカーである米Knowles製のBAドライバーを採用しています。
高域にはKnowles社製「SWFK-31736」が2基搭載されています。高価格帯のIEMで使用されることの多いBAドライバーで、非常に優れた分解能を持ちながら硬質にならず、自然で透明感の高いサウンドを鳴らすことができます。
中域にはKnowles社製「DFK-62035」をベースにチューニングが施されたKnowles社との共同開発によるカスタムBAドライバーが4基搭載されています。繊細かつ密度感のあるボーカル帯域と低域・高域ドライバーとの自然な調和を実現しています。
合計6基のBAドライバーと、イヤホンシェル、サウンドチューブ、ハウジングの綿密な設計により、クリアでエネルギー感に富んだ中高域を実現します。
低域用ダイナミックドライバーには、自社開発の第2世代ダイヤモンドライクカーボン(DLC)振動板を採用した、13.6mm径ドライバーが搭載されています。第1世代ドライバーと比較して磁気回路構造が大幅に更新され、大口径のDLC振動板を駆動させるために磁束密度が20%向上しています。DLC振動板の特徴である優れた剛性と高い内部損失により歪みを低減し、低音域から高音域まで幅広い周波数帯域に対応しています。
特許技術「S.TURBOテクノロジー」が搭載されています。綿密に計算された音導管によって高域成分を適切にフィルタリングすることで、3つに帯域分割されている周波数域間でのスムーズなクロスオーバーを可能にし、低域ドライバーのパフォーマンスを引き出すことができます。
「ノッチ・フィルター・キャビティ」構造を採用し、ドライバーの相互干渉による不要な共振を効果的に抑制することができます。ハウジング内や音導管で発生する不要な共振を効果的に除去するノッチ・フィルター(特定の帯域だけを効果的に減衰するフィルター)機能を持たせたキャビティ(空洞)がシェル内部に組み込まれ、よりピュアで透明感のあるサウンドを実現します。交換可能な3種類のサウンドフィルターが用意され、好みのサウンドを選ぶことができます。
ハウジングは純チタニウムからの削り出しにより製作されたチタンハウジングが採用されています。つなぎ目のないモノブロック構造とすることで高い剛性を持ち不要な高調波や共振を大幅に抑制することができます。ハウジング表面にはつや消し加工が施されています。見た目の美しさだけでなく肌触りの良さも追求され、長時間のリスニングでも快適にサウンドを楽しむことができます。ドライバーの背圧を適切に外部に排出することができるセミオープン構造を採用し、より自然で広大なサウンドステージを生み出すことが可能です。
MMCXコネクターは耳やケーブルにストレスが無いような角度に設計されています。ケーブルは28本の芯線を8本編組し合計224本構成とした高純度単結晶純銀素材によるMMCXケーブルが付属しています。被覆には環境負荷の小さい医療グレードのTPU素材が採用され、黄変や硬化に対する耐性を備えています。プレーヤー側端子は2.5mmバランス、3.5mmアンバランス、4.4mmバランスを交換することができ、さまざまなデバイスと接続することができます。
周波数特性は10Hz〜40kHz、インピーダンスは18Ω(@1kHz)、感度は108dB/mW(@1kHz)、最大入力は100mWです。低音重視型、バランス重視型、ボーカル重視型のシリコン製イヤーチップなどさまざまなイヤーチップが付属します。
BAドライバー6基とダイナミックドライバー1基のハイブリッド構成のフラグシップIEM「FH9」で、最高のサウンドを楽しみませんか。
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